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調剤報酬の中身について超わかりやすく解説【調剤薬局で働く際に必須知識】

「産休・育休明けで仕事に復帰するけど、ブランクがあって周りのスタッフに迷惑をかけないか心配」、「子どもが幼稚園に入って少し手が離れてきたから、そろそろパートで薬剤師に復帰したいな」こんなママ薬剤師の仕事復帰のハードルを上げているのが、調剤報酬改定。2年に1度のサイクルで改定があるため、現場ブランクがあると知識の構築に時間がかかってしまいますよね。

また、子育てしながら改定内容を学習するのは、とても大変です。そんな忙しいママが、ブランクがあっても安心して仕事に復帰できるよう、調剤報酬の中身についてわかりやすくまとめてみました。調剤報酬点数の仕組みや内訳、直近の改定内容を、それぞれ具体的にご紹介します。(※こちらの記事は2023年1月現在の記事です)

やむちゃ

ぜひ参考にしてください!

目次

1.調剤薬局で支払う代金の意味

調剤報酬とは、医薬品を処方箋に基づいて提供する際に、薬剤師がその業務に対する報酬として受け取る金額のことをいいます。医科報酬・歯科報酬と並んで、診療報酬を構成する重要な要素です。

この報酬は、処方箋の調剤や、患者さんへの情報提供、薬剤管理など、薬剤師がおこなうサービスや労働に対して支払われ、薬局の収入につながっています。

わたしたちの暮らす日本では、国民皆保険制度を採用しており、国民全員が公的医療保険に加入しています。国民健康保険や全国保険協会などの保険者へ、健康保険料として毎月掛金を支払ってますよね。社会保険料としてお給料から天引きされている方も多いと思います。

病院にかかる、薬をもらうなどの診療サービスを受けた場合、病院や薬局の窓口で支払っている金額は、「自己負担金」といってかかった医療費や薬代の一部です。自己負担金を除いた残りの金額は、この保険者から病院や薬局へ支払われているのです。

保険診療の流れは、以下のようになっています。

STEP
医療サービスを受ける

病院での診察や調剤薬局でお薬を受け取るなど

STEP
1〜3割の自己負担金を支払う

薬局や病院で支払うお会計は本来かかる料金の1〜3割(例外あり)

STEP
医療機関は審査機関を通して保険者へ診療報酬の請求をする

薬局や病院が受け取るはずの残り9〜7割は保険証に記載された「保険者」に請求されます。

STEP
保険者から報酬が支払われる

保険者が審査機関を通じて、病院や薬局などへ診療報酬を支払います。


このような流れで保険診療が成り立っているため、患者さんは窓口では自己負担分のみを支払い、協会けんぽや国民健康保険などの保険者が残りを負担しています。なお、審査には約2ヶ月かかり薬局に調剤報酬が入るのは時差が生じます。

患者さんの負担割合は、年齢によって以下のとおりに決められています。

  • 小学生から69歳まで:3割
  • 小学校入学前の乳幼児と70〜74歳:2割
  • 75歳以上の後期高齢者:1割

例外として、70歳以上で現役世代並みの収入のある方は3割負担になります。
なお、市区町村から発行される受給券をお持ちの場合は、負担割合が変わるため注意が必要です。

また、調剤報酬を計算するために、調剤報酬点数というものが使われています。これは、薬剤師がおこなった仕事に対して受け取れる報酬の基準です。調剤や服薬指導など、薬剤師がおこなう作業ごとに点数が決まっており、それが調剤報酬点数表で設定されています。

この点数は定期的に見直されていて、医療や新しい薬、患者さまのニーズの変化に合わせて調整されます。それによって、現代の医療状況にマッチした報酬が決まる仕組みです。調剤報酬の点数は薬局の経営に直結しており、薬剤師のお給料はこの調剤報酬から出ています。そのため、調剤報酬点数について理解を深めることはとても大切です。

2.調剤報酬の内訳

調剤報酬点数は厚生労働省で定められており、1点の単価は10円です。患者さまにより良い医療サービスを提供するため、調剤報酬点数の改訂は2年ごとにおこなわれています。また、調剤報酬点数表に書かれてあるものにしか、調剤報酬は発生しません。

大半の調剤報酬は端数などなく計算できますが、薬価には端数が発生します。そして、端数処理は「五捨五入」で計算します。5は切り捨てて、5を少しでも超えたら10にするという意味です。薬剤料を算出するときは「円+銭」を「点数」に変換し、最終的に「円」で算出します。

わかりやすく例えると、薬の価格が1錠あたり1.58円だとします。これを点数に変換すると1点58となります。この点数は五捨五入のルールに従い、1.58から「5」を少しでも超えると2点になり、円に戻すと2円として計算されるわけです。

2-1,基本的な調剤報酬の内訳

基本的な調剤報酬は、調剤技術料薬学管理料薬剤料特定保険医療材料料の4つにわけられます。

1、調剤技術料

・調剤基本料
薬局の基本的なサービス、設備や機器などの使用に対する点数です。薬局の立地や処方箋の受付回数などで薬局ごとに決められています。

・薬剤調整料
薬の調剤に対する点数で、自家製剤加算や計量混合調剤加算など、特定の調剤条件に応じた加算点数があります。

2、薬学管理料

・調剤管理料
薬の調剤工程の管理に対する点数です。重複投薬・相互作用等防止加算など、処方されている薬が適切かの判断に対する点数もここに含まれます。

・服薬管理指導料
患者さまごとの薬歴管理や、薬剤情報提供文書を用いた説明、服薬指導に対する点数です。

・かかりつけ薬剤師指導料
患者さまが選んだ薬剤師が、医師と連携して服薬状況を把握した上で服薬指導等をおこなった場合に算定できます。

・服薬情報等提供料
医療従事者や患者さまなどに情報提供をおこなった際に算定できる点数です。

・外来服薬支援料
患者さまへの適切な服薬支援をおこなうために、持参薬の一包化や服薬カレンダーによる整理をおこなうことで算定できます。

ひらめきくま

以前は一包化加算と言っていたけど、今は「外来服薬支援料」に含まれているよ!

3、薬剤料

処方された薬の価格に対する点数です。増加する医療費を抑えるため、報酬改定のたびに見直されています。

4、特定保険医療材料料

在宅で使用する特定の医薬品のうち、処置料などと別に算定できる医療材料のことをさします。インスリンやホルモン製剤、在宅中心静脈栄養用輸液など14種類に対する点数です。

2-2,参考にするべきサイト

調剤報酬点数は、項目ごとにさまざまな加算や算定要件があって覚えることが難しいですよね。そんなときは、下記のサイトを参考にしてみてください。

1、令和4年度調剤報酬改定の概要

https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000911825.pdf

出典:厚生労働省 保険局 医療課

直近の調剤報酬改定について、全体像が把握できます。現在の薬局や薬剤師業務の状況、どんな目的でどのような改訂があったかが詳しくまとめられています。グラフやカラーを使用しており、とても見やすい資料です。

2、調剤報酬点数表

https://www.nichiyaku.or.jp/assets/uploads/pharmacy-info/2022/0331-list.pdf

出典:公益社団法人 日本薬剤師会

日本薬剤師会が出している、2022年度改定の調剤報酬の点数表です。点数項目や算定要件、点数が一覧になっています。それぞれの項目に対する加算も詳しく書かれているため、点数を調べたいときはこのサイトがおすすめです。

3、マイナビ薬学生Switch

https://job.mynavi.jp/conts/2024/tok/yak/job/remuneration/

出典:W.マイナビ2024

2022年度の調剤報酬改定のポイントを、薬学生向けにわかりやすく解説しています。とにかくわかりやすい記事が読みたい! という方はこのサイトをみると、調剤報酬について理解しやすいですよ。

3、特に重要な調剤報酬の項目

現在は、2023年4月の臨時報酬改定が最新の情報になります。合わせて、2022年4月の調剤報酬改定についても確認しておきましょう。

3-1,2023年臨時報酬改定の中身

2023年度の臨時報酬改訂は、主に「オンライン資格確認」と「医薬品の安定供給問題」に対する内容です。今回の改訂は、基本的に薬局経営においてプラスになる内容になっています。

現在、政府が重点を置いているのは医療のDX化です。DXとは「デジタル・トランスフォーメーション」の頭文字で、デジタル技術によって「社会や生活の形を変える」ことを意味しています。医療においては、DX化を進めることによって、医療サービスの効率化と質の向上が期待されています。国民に最適な医療を提供するための基盤を整えることが目的です。

政府は、2024年12月2日に従来の保険証を廃止する方針を決定しました。今後は、オンラインで保険の確認をする仕組みが主流になる予定です。このオンライン資格確認には「患者さまのマイナンバーカードを専用のリーダーで読み取る方法」や、「保険証の番号を入力して確認する方法」があります。

オンライン資格確認への移行には、多くのメリットがあります。マイナンバーカードを利用することで、医療機関や薬局を利用する際の利便性が向上し、最新かつ正確な保険情報が手に入ります。これにより、保険会社との電話連絡などの手間も減り、事務作業がスムーズになるでしょう。しかし、やむを得ない事情でオンライン資格確認を導入できない病院や薬局があるため、今回の改訂で期限付きの経過措置が設けられました。

これらの背景をふまえ、以下の3点について改訂がありました。

1、医療情報・システム基盤整備体制充実加算の特例

医療情報・システム基盤整備体制充実加算を算定するには、オンライン請求が必要です。しかし、オンライン請求が可能になる見込みがある薬局も算定可能となります。今回の加算は、2023年4月1日〜12月31日の期間の特例措置です。

・医療情報・システム基盤整備体制充実加算
マイナンバー利用なし(3→4点)
マイナンバー利用あり(2点)据え置き

やむちゃ

まだオンラインに対応できない薬局への特例措置です!

2、オンライン資格確認導入原則義務化の経過措置

オンライン資格確認の導入が、やむを得ず2023年3月までに間に合わない場合、厚生局に届出をすることで経過措置が適用されます。
やむを得ない理由として、例えばベンダーとの契約があるもののシステム導入が未完了のケースや、光回線のネットワーク環境が整備されていない薬局などがあげられます。

3、地域支援体制加算の特例

地域支援体制加算と後発医薬品調剤加算の両方を受ける薬局は、追加の施設基準を満たすことで点数が追加されます。これは、医薬品供給が不安定なことが背景にあります。追加の施設基準として、地域の医療機関との医薬品共有や融通をおこない、その取り組みが明確に提示されていることが条件です。

3-2,2022年報酬改定の中身

2022年報酬改定の全体の改定率は、調剤が+0.08%、薬価は−1.35%です。今回の改訂では、かかりつけ薬剤師としての役割の発揮に向けて、以下4つの方針に沿った内容になっています。

  1.  薬局薬剤師業務の対物中心から対人中心への転換の推進
  2.  薬局の機能と効率性に応じた評価の見直し
  3.  在宅業務の推進
  4.  ICT(情報通信技術)の活用

さまざまな項目や点数が変更になりましたが「ここは押さえておきたい!」という重要ポイントをご紹介します。

1、調剤料・薬剤服用歴管理指導料を廃止し、薬剤調製料・調剤管理料・服薬管理指導料を新設

薬剤師の業務を薬剤調製や取り揃えなどの対物中心から、処方箋薬剤情報提供料や患者さまへの情報提供、服薬指導などの対人中心へ重点を移していくための改訂がおこなわれました。

■薬剤調整料
内服薬は調剤料から薬剤調製料に変更になると同時に、1剤につき24点の固定点数になりました。

1)後発医薬品調剤体制加算の見直し
後発医薬品の調剤数量割合の基準は次のとおりです。
・後発医薬品調剤体制加算1(21点)80%以上
・後発医薬品調剤体制加算2(28点)85%以上
後発医薬品調剤体制加算3(30点)90%以上
また、後発医薬品の調剤数量割合が低い薬局の調剤基本料の減算点数が、2点から5点に見直されました。

2)地域支援体制加算の見直し
地域包括ケアシステムの中で地域医療に貢献する薬局に対し、体制や実績に応じて地域支援体制加算が4つの区分に見直されました。
・地域支援体制加算1(39点)
・地域支援体制加算2(47点)
・地域支援体制加算3(17点)
・地域支援体制加算4(39点)

3)連携強化加算の新設
災害や新しい感染症の発生時に、地域において医薬品供給や衛生管理の対応など、必要な役割を果たすことができる体制を確保した場合に算定できます。地域支援体制加算を算定している薬局が対象です。
・調剤基本料連携強化加算(2点)

■調剤管理料・服薬管理指導料

1)調剤管理加算の新設
6種類以上の内服薬を複数の医療機関から処方された患者さまに対して、要件を満たすことで算定できます。
・調剤管理加算(3点)

2)服薬管理指導料の新設
薬剤服用歴管理指導料として算定していた、服薬指導などの業務に対して新設されました。対象の患者さんによって点数が異なります。情報通信機器を用いた服薬指導をおこなった場合も、同じ点数です。
・原則3月以内に再度処方箋を持参した患者さん(45点)
・上記以外の患者さん(59点)
・特別養護老人ホームに入所している患者さん(45点)

3)外来服薬支援料の見直し
一包化加算
が外来服薬支援料に組み込まれました。
・外来服薬支援料1:現行の外来服薬支援料
・外来服薬支援料2:調剤料の一包化加算に相当する部分

4)服薬管理指導料の特例の新設
かかりつけ薬剤師以外の薬剤師が、かかりつけ薬剤師と連携して必要な服薬指導などをおこなった場合に算定できます。
・服薬管理指導料の特例(59点)

5)在宅医療支援の充実
在宅での薬の管理を進めていく目的で、在宅患者訪問薬剤管理指導料に新たな加算が追加されました。
・在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算(250点)
・在宅中心静脈栄養法加算(150点)

6)オンライン服薬指導の恒久化
オンライン服薬指導は、これまでコロナ禍の特例措置でしたが、普及を促進するために調剤報酬が見直されました。オンライン服薬指導をおこなう場合の服薬管理指導料の点数が引き上げられ、回数制限が廃止されました。
・在宅患者オンライン薬剤管理指導料(59点)
・電子的保健医療情報活用加算(3点)

2、リフィル処方箋の導入

リフィル処方箋とは、安定した症状の患者さまに対して、医師の許可を得て繰り返し使用できる処方箋です。基本的にすべて同じ薬局で調剤することが前提になります。医師の診察を毎回受ける必要がなくなるため、患者さまの利便性が向上し、医療費の抑制が期待されます。

薬局は、2回目までの調剤終了後はリフィル処方箋の写しを保管して、上限である3回分の調剤が終わったリフィル処方箋を、調剤済み処方箋として保管することが必要です。リフィル処方箋を導入した場合、服薬状況のフォローアップや必要に応じた医師との連携が重要になります。

やむちゃ

リフィル処方箋の1回目を受け付けたらコピーを取って原本を返す!

4、まとめ

今回の調剤報酬改定では、薬剤師の業務を対物から対人中心に移行する目的で、項目の新設や見直しがおこなわれました。柔軟な働き方を求めるママ薬剤師にとって、調剤報酬点数の知識をつけることのメリットは多いはず。調剤報酬の理解を深めることで、現在の医療のニーズに合った、どんな職場でも必要とされる薬剤師になれるかもしれませんね。

やむちゃ

・わからない算定はその都度確認!

私が答えられる範囲であれば相談に乗りますので
お気軽にDMくださいね〜!

■参考サイト
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000911825.pdf
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken01/dl/01b.pdf
https://www.nichiyaku.or.jp/assets/uploads/pharmacy-info/2023/02.pdf
https://pharmacist.m3.com/lp/dispensing_fee#:~:text=%E2%91%A1%E8%AA%BF%E5%89%A4%E5%A0%B1%E9%85%AC%E3%81%AF%E3%80%8C1,%E5%BE%97%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
https://mirasapo-plus.go.jp/hint/15869/
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/iryou_dx_suishin/index.html
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001029308.pdf
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231222/k10014296131000.html
https://stu-ge.nichiiko.co.jp/store/mpi_documents/file/c095be16eed7007263058b3bb2f7db43.pdf
https://www.nicho.co.jp/inquiry/1022/
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000907866.pdf

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この記事を書いた人

週3日派遣薬剤師💊×HP制作ライター💻の二刀流⚔️
6年制卒の3期生で現役薬剤師。
転職回数4回で、転職面接回数は20社以上。
ほぼ全ての会社から内定。
2児の母、専業主夫の妻、1馬力4人家族の大黒柱。

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